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日々の出来事や萌え語り等。偶に鬱状態になるので御注意下さいませ。
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あの晩以来、バクラはリョウについて考えるようになった。
最初は彼女を助けた見返りとして彼女を奴隷にしてしまおうと思ったが
彼女の自分への怯えが途轍もなく不快に感じてからは
もう奴隷として扱おうとすると言う考えすらも頭から消え去っていた。
使えるものは最大限使ってきたバクラにとって
其れは未知の感覚だった。
他人を知ろうとすると言う思い自体が無かったのだから当然と言えば当然だが。
途切れ途切れのリョウの謝罪を訊いて彼女を抱きしめて・・・
自分は彼女の心に触れてみたいと思った。
知りあって見たいと思った・・・。
恐怖に震えて謝り続ける彼女が気がつけば自分の腕の中で寝息を立てているのを見た時
無意識のうちに心が和んだ気がした・・・。
この感情の正体、其れを抱かせるリョウと言う存在への関心は
日々増え続けるばかりだった。

次の標的の情報を手に入れるべく街に調査に行っていた時
不意に目に入ったのが男女が楽しげに寄り添い合って会話すると言う姿だった。
今迄目にしなかった訳ではないが、今のリョウとの同棲生活の事を考えると
其の男女組への興味も湧かなかった訳では無かった。
自分が指名手配されている盗賊である事を悟られない様に
穏やかに声をかけてみる事にする。
「其処のアンタ達、少し良いかい?」
バクラの問いに男女組が振り返る。
「はい、何でしょうか?」
女性が訊き返す。
「アンタ達は御互いの事、知り合ってるのかい?一緒に居て楽しいのかい?」
バクラの突拍子もない問いに2人揃って赤面する。そんなに恥ずかしい質問だっただろうか?
「え、ええ。それはもう!隠し事1つ無い位に知り合ってます!」
ぎこちなく、女性がそう答えると今度は男性がその言葉を引き継ぐように言う。
「勿論、一緒に居て楽しいし、此れほどの幸せって無いと思います!
何しろ僕達、今度結婚する予定ですので・・・」
「ちょ、ちょっと!!あんまり惚気ないでよ!!恥ずかしいじゃない!!」
男性の言葉に女性が照れ隠しに言葉を発するがバクラにはその女性の言葉よりも
男性の言葉が脳内に何度も響いていた。
此の2人は本当に御互いを大切にしているのだろう。
其れだけは理解出来た。
そして最後に2人に問うた。
「そんなに親密になるのに秘訣は有るのか?」
男性が目をぱちくりさせてバクラに問う。
「若しかして、気になる女性がおられるのですか?」
「ああ、少し気になってな・・・けど、如何いう訳か距離をおかれちまって・・・」
気になっている、と言うのは事実だったので否定せずに
親密になる方法を訊き出そうとする。
「そうですか。そういう時は自分から近付いて行って安心させてあげると良いと思います。」
「そうそう。女の子って少し優しくされると気持ちが傾くんです。
勿論、嘘偽りない優しさに、ですけど。其の子と上手くいくと良いですね!」
「ええ、本当に。僕たちのアドバイスじゃ頼り無いですが、頑張って下さい!」
2人の声援に「此方こそアドバイス有難うよ。アンタ等も御幸せにな」と返し
再び2人が赤面しているのを確認してからその場を去って行った。


其の日の晩、リョウは何時ものように出迎えてくれた。
自分に怯えているのにも関わらずこうして毎日出迎えてくれるのは
何だかこそばゆい感じがしていた。不快ではない。
食卓に並ぶ夕飯を頂きながらリョウに「話が有る。後で寝室に来い」と言った。
食事を済ませてから寝室でリョウを待って居ると
直ぐにリョウは寝室に遣って来た。
どことなく緊張しているのが解る。
「まぁこっち来いよ。んなトコ突っ立ってっと疲れんだろ?」
「は、はい!」
バクラの言葉に体をビクッとさせながら返事をし、バクラの隣に座る。
「んなに緊張すんなよ。別にとって食おうってんじゃねぇんだ。」
リョウの体の震えを落ち着かせようと言葉を発するが
未だ緊張がほぐれる様子も無い。
それもそうか。
本の少し会話を交わしただけの相手に安心感を抱けと言う方が無理な話だ。
だが此処で諦めてはいけない。
今日男女組から得たアドバイス通りに接すければ若しかしたら
少しは心を開いてくれるかもしれないのだから。
バクラは先ずリョウの手を握る。
リョウは驚いたような表情をするが其処には触れず居る。
「なぁリョウ。お前が自分の事が解らねぇなら深く追求しようとは思わねぇ。
けどな、少し位は其の警戒心を解いちゃあくれねぇか?」
リョウの低めの体温を感じてバクラはその手を握り過ぎないよう気遣いながら続ける。
「お前の作る料理は其処等の料理人の数千倍旨くて、
部屋だって此れでもかって位綺麗に掃除されててよ・・・
お前の此の徹底した仕事ぶりには何時も感謝してる。
俺の事怖がりながらもちゃんと出迎えてくれて・・・見送ってくれて、有難う」
バクラの突然の言葉にリョウは目を丸くする。
反応に困っているのか言葉を発せられないでいる。
「けどよ、怯えられてる事だけが不満だった・・・。
こんなナリだから仕方ねぇし、怯えられるのなんて日常茶飯事だ。
怯えられ過ぎて慣れてきさえする。
でも如何してかお前にだけは、怯えられると嫌なんだ・・・」
バクラのその言葉に申し訳なさそうにリョウが俯いて
謝罪の言葉を述べようとした時だった。
「謝るな。お前は何も悪い事なんてしてねぇだろう?なら謝る必要はねぇ。
後、其の堅苦しい言葉遣いも止めろ(やめろ)。
俺、そういうの苦手なんだよ。」
此処で漸くリョウの口が開く。
「はい、解りました。色々気を使わせてしまって済みませ-・・・」
「だぁから、その言葉遣い止めろって!」
「あ、えっと・・・癖で・・・少しづつなおしていきます」
リョウの言葉に本の少しだけ笑む。
誰かにこうやって触れたのは恐らくリョウが初めてだろう、
そう思いながら暫しリョウを見詰めていた。
 
闇人格×表人格女体化アンソロジー【右隣の女の子】 ばくらプチ告知サイト

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