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日々の出来事や萌え語り等。偶に鬱状態になるので御注意下さいませ。
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暗い部屋の隅で震える体を抱きながら獏良は嗚咽を漏らしていた。
「う・・・ぐっ・・・ひっく・・・・・」
日々もう1つの存在に怯え続ける事へのストレスと恐怖、
自分がその存在の言いなりで有ると言う情けなさ・・・
そんな思いが止めようも無く溢れ出す。
抱いた腕に爪を立て、出来得る限り声を抑えようと歯を食いしばる。
こんな姿を彼に見られてしまうのは嫌だ。
弱っている自分を見られたらまた嘲笑われて偽りの優しさで触れてくる・・・。
そんな事をされる位なら乱暴に扱われる方がまだマシだった。
嘘だと解っていても、優しくされると縋ってしまいたくなるのだ。
若しかしたら、今度は本当なの優しさなんじゃないかと言う
淡い希望を抱いてしまう・・・そんな自分が嫌だった。
そう考えているとまた涙が溢れてくる。
「何泣いてんだよ?」
突如聞こえてきた声に視線を上げると其処には褐色肌に赤い衣を纏った男が
此方に視線を落としていた。
「君は・・・・誰・・・・?」
「俺様か?俺様は盗賊王バクラだ!」
「盗賊王・・・、バクラ・・・?」
その名前を聞いて本の少し冷静さを取り戻す。
初めて彼と話した時、彼は自分が盗賊である事を主張していた。
そして彼の名も、バクラ・・・。
だが、普段目にする彼とは全くの別人である目の前の男を見つめる。
「ああ、そうだ。お前は獏良了、だな?」
「・・・・何で僕の名前を知ってるの?」
「何でって、お前は俺様の宿主だからに決まってんだろ?」
この言葉も以前、彼が自分に対して言っていた言葉だ。
彼との共通点を多く持つ目の前の男に意を決して問う。
「君は、僕を苦しめるバクラ、なの?」
目の前の男、盗賊王バクラの表情が曇る。
「なんつったら良いか・・・俺様もお前を苦しめるバクラも
同じつったそうなんだが全くの同一人物っつう訳じゃねぇんだ。
お前が言うバクラは俺様と闇を混合させた人格ってだけで
俺様自身じゃねぇんだ。彼奴は純粋な『闇人格』だ。」
「じゃあ、彼は君の偽物って事?」
「其れも違う。彼奴も俺様も両方本物だ。
俺様の記憶と闇が混ざって出来てるってだけで
ちゃんと個々として存在してるからな。」
「・・・何だかややこしいね」
目の前の男、盗賊王バクラの話に溜息を吐く。
彼は、自分に危害を加えている闇人格では無い。
そう思うと少しだけ気が楽になった。
「君は何時も何処に居るの?」
「心の部屋、あの闇人格の闇の中だ。こうして表に出られるのは大分久し振りだ」
「・・・閉じ込められてるの?」
「んー・・・まぁそんな感じだな」
「辛くはないの?」
「さぁなぁ?何か不自由するわけでもねぇし、そう感じた事はねぇ。
だがなぁ・・・・」
言葉が途切れて盗賊王の顔を覗き込む。
「如何したの?」
その言葉がスイッチだったかのように盗賊王の手が獏良の肩を掴む。
「え!?」
突然の事に驚く獏良を更に抱き寄せる。
状況が今一理解できずに獏良が混乱していると
盗賊王の声が耳元で聞こえた。
「苦しむお前を見てるだけで何もできないのが、辛いな・・・」
その言葉にドキッとする。
初めて会ったばかりの男にそんな事を言われたのは初めてだし
初対面の人間に抱きしめられるのも人生で初めてだ。
こんな時如何すれば良いのかと返す言葉に困っていると
盗賊王が獏良の顔を見つめる。
「そんな顔すんなよ。お前が辛そうなのが俺様も辛いんだ。
彼奴にあんなにされて・・・最近はちゃんと笑えてなかっただろう?」
言われ見れば確かに最近は彼からの恐怖で上辺だけでも笑えなくなっていた。
遊戯達にも何か有ったのかと良く聞かれる程に
表情が暗かったのだろう。
其れでも心配をかけたくなくて「大丈夫」と答えていた。
初対面の人間に其れを見抜かれてしまってまた涙が零れる。
「うぅ・・・ひぃ・・・っく・・・」
「大丈夫だ、俺様が居る。大丈夫・・・・」
自分より大きな腕に再び抱かれる。
暫しその腕の中で泣いていると心の中に溜まっていたものが
軽くなったのか気分が落ち着いた。
声を落ち着かせて盗賊王に視線を合わせる。
「君は、優しいね・・・」
「如何だろうなぁ?お前以外の宿主達にはこんな風には接し無かったぜぇ?」
「僕にだけ?」
「ああそうだ。何てたってお前は此の俺様が唯一惚れ込んだ宿主だからな!」
「えーっと・・・其れは如何いう意味?」
盗賊王の言葉に首を傾げていると満面の笑みを浮かべた盗賊王が
爽やかに答える。
「深い意味はねぇよ。まんまの意味だからなぁ」
そう言って盗賊王の姿は部屋の暗がりに消えて行った。
其処で獏良はふと疑問を持った。
彼が意識体なら何故自分に触れられたのだろうか、と。
盗賊王と話している間は全く気にしていなかったが
彼に触れられた箇所は温かかったし力強かった。
闇の中に幽閉されていた彼が意識体でも生身の体に触れられるような
特殊な力を得たと言うのだろうか?
何にしても彼の御蔭で大分心が楽になったのは間違いなかった。
振り返っても彼の姿は無く其処は見慣れた自分の部屋だった。
本の少しの笑顔を浮かべてベッドに潜り込むと
誰も居ない部屋の一角を見つめて「有難う」と呟く。
今日はもう寝てしまおう。明日は遊戯君達に笑顔で接しよう。
そんな事を考えながら獏良は深い眠りに着いた。闇人格×表人格女体化アンソロジー【右隣の女の子】 ばくらプチ告知サイト

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誕生日:
1992/06/25
職業:
社会人
趣味:
御絵描き・読書
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