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日々の出来事や萌え語り等。偶に鬱状態になるので御注意下さいませ。
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昔、御母さんからこんな話を訊いた。
6月に結婚した花嫁は幸せになれると言う、そんな話。
当時は夢の有る素敵な話だと思ったけど
今思えば私に幸せを分かちたいと思える男性が居ないので
正直関係ない事だと思ってた。
小さい頃は考えていなかったけど相手が居ないのでは
結婚する前に交際する事も出来ない。
なので6月は梅雨時だと言う認識しかない。
周りの女子は恋愛を充分に楽しんでいるのに
自分だけが浮いてる様に思えた。
だが、恋人が居なくとも死ぬわけではないし
自分に合わない人と無理に付き合う必要もないと思ったのだ。
そんな事を思いなが学校の廊下を歩いていると後ろから声が聞こえた。
「天音!」
「御兄ちゃん!」
其れは自分の双子の兄、了の声だった。
了は学校鞄を片手に持って近づいてくる。
「一緒に帰ろう?」
「うん」
了の言葉に答える。
私達兄妹は両親でも見分けがつかない位容姿が似ている。
でも其れは小さい時だけで今は体格に差がついてきていて
昔程見分け辛い訳でも無い。
天音にとっては其れが少々寂しく思えた。
兄との体格差はハッキリしているし声のトーンも幾らか変わっている。
此れが若しも同性だったらまだ寂しさもないのだろうが。
教会の前を通った時だった。
了が其処で足を止めて教会を見ながら言う。
「今月は多いだろうね」
「何が?」
「新婚さん」
「あ、そういえば6月だもんね」
兄との遣り取りで不意に今日考えていた事が脳裏を過(よぎ)る。
確かに自分は恋愛に関してそんなに興味は無いが
了はそういうことに興味が有るのだろうかと言う疑問が浮かんだ。
「了は、結婚するなら6月が良いの?」
「うーん、好きな人となら月日は関係ないと思うけど
相手の人が其れを願うなら僕はそうするよ。」
「そっか。・・・了は好きな人居る?」
「え・・・?」
了の眼が見開かれる。
自分でも何を言ってるているんだと驚いた。
こんな事を訊いて如何する?そう自分に訊き返す。
好きな人が居たとして自分は反応すべきか・・・
気まずくなって了から視線をずらして教会の方を見る。
数秒間の沈黙。
沈黙を破ったのは了だった。
「そうだね・・・好きな人なら沢山居るけど恋愛感情を抱く子は居ないよ。」
其の返答に天音が了の方に振り向く。
「そうなんだ。好きな人って友達とか家族?」
「うん、そうだね。でも皆平等に好きだし、飛びぬけて好きな人は居ないね。」
「・・・・」
天音にとってその回答は複雑なものだった。
了には恋愛感情を抱く相手は居ないが、同時に皆平等に好きと言うもので
つまり了の中に特別な存在は今の所居ないと言う事だ。
其れは天音も含まれており天音も了にとっての特別ではないと言う事だ。
天音の表情が曇った事に気付いた了が天音の手を握る。
「!?」
了の行動に驚いて思わず顔を上げる。
「お、御兄ちゃん!?」
天音の動揺を隠しきれない表情とは逆に了はとびきりの笑顔で言う。
「大丈夫、天音は可愛いんだからきっと素敵な御嫁さんになれるよ!」
「・・・御兄ちゃん、私とそんなに変わんないじゃん」
「う・・・・でも天音は僕と違って可愛くて明るくて活発だからきっと大丈夫!」
そう言いながら了が握っている手に力を込めて・・・
「若しも御嫁さんに行けなかったら、僕の御嫁さんになれば良いしね!」
と、とんでもない事を言ってきた。
天音の顔が紅潮する。全身の血が沸騰して噴出してしまう程体が熱くなる。
「なんてね、冗談だよ」
了の言葉に顔を上げると何処か寂しそうに教会を見て言う。
「僕には勿体無いね。天音みたいな良い子はもっと素敵な人と居るべきなんだ・・・」
了の言葉にハッとする。
其れは、紛れもなく自分が了に対して思っていた事だ。
了の様に優しく思い遣りのある人には自分じゃ勿体無くて
もっと素敵な人と居るべきなんだ、と。
そう思うと胸が痛くなって自然と了の手を握り返していた。
「私は、其れでも・・・良い。了の御嫁さんにならなっても良い。」
「え・・・?」
了の目を確りと見詰めて言う。
そしてゆっくりと了の手を引きながら体を近付ける。
「私にもまだ恋愛感情を抱く相手は居ないけど、
でも了が御婿さんになってくれるなら私は其れでも良いの」
「天音・・・?冗談、だよね?」
了の問いかけにニッコリと笑って答える。
「ううん、本気。此れは宣戦布告だからね?」
了と天音は兄妹で結婚なんて出来ないけれど
其れでも此の兄となら幸せを分かち合っても良いと思ったのだ。
恋愛感情に似ているが、何処か違う此の気持ち-・・・。
先刻迄白かった了の顔が本の少し赤くなって如何したものか、と言う表情になる。
徐々に近づいてくる天音の顔が返答を求めているのだと気付いて口を開く。
「そっか。じゃあ僕の御嫁さんは天音だね。結婚式は何時が良い?」
「6月!!」
元気よく了の問いかけに答えると其の儘了の唇に自分の唇を重ねる。
今、了はどんな顔をしているのかと思うと少し面白かった。
でも今はもう少しこうしていたい・・・出来る事なら此れからもずっと・・・。闇人格×表人格女体化アンソロジー【右隣の女の子】 ばくらプチ告知サイト

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