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日々の出来事や萌え語り等。偶に鬱状態になるので御注意下さいませ。
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宿で一晩過ごした次の日。
リョウは此れ迄見た事も無い様な気持良さそうな表情をして眠っていた。
何時も早起きして朝食の準備をするのがリョウの日課だが
外出と外泊ですっかりはしゃいでしまっているようだ。
目の前で気持ちよさそうに寝息を立てる少女を見て
バクラは自分の中に渦巻く得体の知れない感覚に意識を投じていた。
突然自分の前に現れ、一緒に暮らすことになった少女。
自分の暮らす環境だけでなく自分迄も変えてしまった白銀の少女。
復讐を放棄してでも優先したいと思う少女・・・。
其処迄考えて頭を振る。
自分の存在意義とは復讐である。
其れなのに最近知り合った少女の為に
存在意義すら放棄する等どうかしている。

昼を過ぎた頃、リョウの頬を軽く叩く。
「おい起きろ!」
反応はない。
出来る事ならもう少しこうしていたいのだが
あまり長い間家を留守にしていたくない。
何より、予定では昼には街を出る事になっているのだから。
バクラはリョウの体を揺すったり名前を呼んだりと色々試したが
リョウは僅かに呻くだけで目を覚まさない。
考えた末にバクラはリョウの顎を掴んでリョウの桃色の唇に
自分の其れを重ねる。
柔らかい感触・・・そう感じた時、リョウの肩がビクリと震えた。
唇を離してリョウを見ると目を見開いた状態で顔を真っ赤に染めて
体を震えさせている。
「バ、バク・・・バ、バ・・・バッバ・・・」
「よぉ、起きたか?」
言葉すらまともに紡ぐ事が出来ないのか口をぱくぱくしている。
そして次の瞬間、勢い良くバクラの頬をぶってきた。
「いってぇ・・・・。」
「行き成り何するの!?こんな朝っぱらから!!」
「もう昼だ。つうか、お前が起きなかったからこうしたんだろうがよ。」
「そ、そんな事で!?」
リョウはまだ赤く染まった顔をぶんぶんと振っている。
バクラはリョウを抱き上げると宿の食堂に向かった。




昼食を済ませて街を出てもリョウは無言の儘俯いていた。
バクラは最初こそからかう様にリョウに言葉を投げかけていたが
リョウのあまりの無反応っぷりにもう何も言わなくなった。
自分でも何故リョウにあんな事をしたのかは解らない。
只そうしたいと思ったからそうしたのだ。
リョウが起きなかったからしたと言うのは口実に過ぎない。
俯いた儘無言で歩き続けるリョウを見て心にじわりと苦いものが広がった気がした。
バクラはリョウの肩を掴むと強引に自分の方へ引き寄せ
自分を見る様向き合わせた。
リョウの体がビクリと跳ねる。
最初にリョウに怯えられた時の事を思い出してバクラの眉間に皴が寄る。
「リョウ・・・・」
低く、抑え気味に言う。
「・・・あんな事して悪かった。もうしねぇからそんな顔するなよ。」
バクラなりの謝罪だった。
伏せられた視線がバクラを捉える。
「・・・ううん、僕もバクラ君の事ぶって御免ね・・・
吃驚しちゃって、つい・・・。」
リョウの言葉を訊いてバクラはリョウを強く抱き締める。
無意識にリョウもバクラの背に腕をまわし、抱き返していた。
「バクラ君、街に連れて行ってくれて有難う・・・凄く、楽しかった!」
「俺も楽しかった・・・またお前を街に連れていく・・・何処へだってな。」
「ふふ・・・有難う。約束だからね?」
「ああ、約束だ。」
先刻迄の殺伐とした空気はあとかたも無く消え去り
2人は互いの温度を確かめ合っていた。





クル・エルナ村に戻るとバクラは村の様子がおかしい事に気付く。
村に居る筈の死霊は姿も見えないどころか気配すらない。
代わりに、生きているものの気配を感じる。
バクラの様子がおかしい事に気付いてかリョウも不安そうに表情を曇らせる。
「バクラ君?」
「・・・リョウ、少し此処で待っててくれねぇか?」
「え、其れは良いけど・・・何で?」
「何と無くだ。なぁに、直ぐに戻ってくる。」
そう言い残してバクラは走り出す。
村のそこかしこを念入りに見回るが特におかしなところも無い。
気の所為だろうかと思った時、聞き慣れた声の、
耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
バクラは急いで悲鳴が聞こえた方向へ向かって走り出す。
其の時、村の家々から焦げ臭いにおいがする事に気付く。
だが今はそれよりもリョウの事が気になった。
バクラは走るスピードを速める。
「リョウ・・・リョウ!!」
自分でも信じられない程弱気な声が漏れていた。
 
闇人格×表人格女体化アンソロジー【右隣の女の子】 ばくらプチ告知サイト

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