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日々の出来事や萌え語り等。偶に鬱状態になるので御注意下さいませ。
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「行ってらっしゃい!」
「ああ」
そう言葉を交わしてから家を出る。
こうやって誰かに外出を見送られるのは何年ぶりだろう?
バクラは母親に見送られて出掛けていた過去の自分を思い出す。
あの頃は本当に毎日が楽しくて、世界が輝いて見えていた。
王宮に村を襲撃される迄は-・・・・。
今迄復讐の為に生きてきた。
何が有っても生き延びて王宮に復讐すると誓った。
そんな自分の誓いすら忘れてしまう程にリョウとの出逢いは
全てを狂わせてしまった。
或は狂っていた世界から引き戻された、だろうか?

そんな時クル・エルナの死霊達が囁きかけてきた。
『復讐を忘れるな』と・・・。
バクラにとって復讐とは生きる事の目標とも言えるものだった。
そして其れは自分だけの為でない事も解っている。
ざわつく死霊達に念を押す。
「若しもリョウに手ぇ出したら手前等(てめえら)を殺すからな?」
その言葉に死霊達は更にざわつく。
『如何いう心算だ?俺達よりもあの小娘を優先すると言うのか?』
「そんなんじゃねぇ。復讐はするし、リョウだって守る。其れで良いだろう?」
『ならば良いのだ・・・。1つ言っておこう。
俺達があの小娘を殺す事は不可能だ。』
「・・・如何いう事だ?」
『あの小娘が俺達に殺せるのであればもうとっくに殺している。
だがあの小娘に触れようとすると俺達は消えてしまうんだ。
まるでファラオの・・・神の加護を受けているかのようなそんな感じがする・・・。』
「ファラオの・・・?」
『あくまでそんな感じ、だがな。
だが若し本当にファラオに関連するのであれば
その時はお前があの小娘を殺すんだぞ?』
「俺様がリョウを殺す・・・だと?」
『そうだ。あの小娘を殺せるのは俺達の様な死霊じゃない。
生きた人間・・・バクラ、お前だ。』
「・・・可能性が有るっつうだけだろ?」
『そうだ。若しファラオに関係が有るのなら殺せ。或は利用しろ。』
「わーったよ。けど、ファラオに関係ねぇなら俺は何時迄もリョウを守るぜ?」
『好きにすれば良い。復讐さえ果たしてくれればそれで十分。』
家を出て数時間、死霊と話していたのは
リョウの事と最近忘れがちだった復讐の事。
「リョウがファラオの・・・」
バクラの中で何度も死霊達の言葉が繰り返される。
そんな事無いと思っても何度も何度も繰り返す。
考えていたくなくて歩くペースを速める。
今日はとある王墓の情報を集めに都に行くのだ。
其処に行けば此の考えもきっと頭から離れるだろう。



都で王墓の情報を調べている間も、情報を手に入れて家に帰る時も
結局ずっとリョウの事を考えていた。
自分は1度に幾つもの事が出来るんだなと感心しながら家に向かう。
何時もは楽しみな此の道のりも今日は苦痛に思えた。
リョウが嘘を吐いているのかも知れない、
バクラの仇であるファラオの差し金かも知れない。
そう思うだけで充分心は揺らいだ。
考えてみれば如何してリョウは今迄の記憶が無い?
如何して大人しくバクラの言うとおりにしている?
バクラの居ない間に実は家中を探っているんじゃないのか?
そんな疑念が湧いてきて頭を振る。
「そんな訳ねぇ・・・」
口でそう言っても心は不安で一杯だ。
リョウを知りたいと思っていた。
だが今は其れが途轍もなく怖い。
リョウの事を知って殺さなければならなくなったら
果たして自分は其れを実行出来るだろうか・・・・?

家に着く頃には辺りは真っ暗だ。
何時もなら夕方には必ず家に着いているのに・・・。
帰ってきた事を伝えるべく「只今」と言う。
だが返事が無い。
「・・・?」
様子が可笑しい。
何時もならバクラの声を訊きつけて出てくる筈のリョウが
出てくるどころか返事すらもしない。
不安になって室内をぐるりと見回す。
食卓には食事が置かれているが其処にはリョウの姿はない。
寝室を覗いてみるがリョウの姿はない。
此処はそう広くはないから他に隠れられる場所なんて無い。
ならば矢張り・・・
そう思った時だった。
耳を澄ませば控えめな寝息が聞こえてきた。
バクラは全神経を耳に集中する。
そしてゆっくりと寝息の聞こえる方向に歩きだす。
すると、暗い部屋の片隅でリョウが体を丸くして眠っていた。
暗い部屋の物陰に紛れるように其処で眠るリョウはこの上なく美しい。
リョウの寝顔に見惚れてしまってふと我に返る。
見惚れている場合じゃない。
如何考えても今の状況は可笑しい。
部屋に明かりもつけず、物陰に体を丸めて隠れて眠っているなんて事、
普通はそんな不審な事はしない。
矢張りリョウはファラオの差し金なんじゃないだろうかとまた考え出す。
何にしても本人を起こさねば何も解らない。
「・・・リョウ、起きろ」
「ん・・・・」
「リョウ!!」
「うわぁ!?」
中々起きないリョウの耳元で大きな声を出すと
リョウは体を跳ねあがらせて目を覚ました。
「あ、れ・・・?僕、寝てた?」
「ああ。つうかよ、真っ暗な部屋の、然も物陰に隠れて何遣ってんだ?」
リョウを起こして早々に疑問に思っていた事を伝える。
起きたばかりだからかリョウはまだ寝惚けている。
必死に眠気を追い払って思考を整理したらしく、バクラに視線を合わせる。
「あのね、僕普段遣らない事を遣って見ようと思ったんだ。」
「ああ。それで?」
「だから夕飯を用意して部屋の明かりも消して
暗い所じゃ見逃しちゃいそうな物陰に隠れて
バクラ君が帰ってくるのを待ってたんだけど・・・
気がついたら眠ってたみたいだね。」
リョウの答えにバクラは安堵と拍子抜けした事に対する脱力感を感じていた。
「バクラ君?」
「・・・いや、何でもねぇ。で、何でそんな事した?」
「其れは勿論バクラ君を吃驚させる為・・・わあ!?」
言葉が終わる前にバクラはリョウを抱き締めていた。
「良かった・・・本当に良かった・・・」
「え、あ?バ、クラ君・・・?」
動揺しているのかリョウの言葉はぎこちない。鼓動も早い。
リョウの存在を確認してバクラは本の少しだけ体を離す。
ばつの悪そうな顔でバクラを見詰めるリョウ。
「あの・・・心配掛けちゃって御免なさい・・・」
まるで悪戯をして叱られている子供の様な反応だ。
バクラは少しだけ表情を緩める。
「いや、良いんだ。お前が無事なら其れで・・・」
そしてグッと体を引き寄せられる。
「バクラ君!?」
バクラはリョウの耳元で擽る様に囁く。
「んじゃ、今から仕返しだ。」
バクラのからかう様な声にリョウの心臓が跳ねる。
「え、えぇ!?」
慌てふためくリョウを見て如何して遣ろうかと考えていると
矢張りリョウはファラオの差し金などでは無いと、確信を持ってそう思った。
闇人格×表人格女体化アンソロジー【右隣の女の子】 ばくらプチ告知サイト

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